電子励起状態を経由する表面反応過程の電子刺激脱離法による研究
Project/Area Number |
12740313
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 岳彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242099)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 電子刺激脱離 / 電子励起状態 / Cu(001) / Mo(112) / 酸素 / リン / 化学修飾 / エピタキシー / Cu(100) / Ru(001) / Li / 水素原子 / 水素化反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は固体表面上の吸着構造を設計し、化学結合の状態(配向、結合次数)に大きな摂動を与えた上で、電子励起を行うことにより結合を活性化して、新規反応を開拓することである。 まず、発表論文にあるように、Cu(001)上にヘテロエピタキシャル成長したLiClの吸着サイトや構造、エネルギーを計算した。これらは、実験結果とよく一致した。次に、Mo(112)表面上の吸着酸素、吸着リンによる表面反応制御に関する研究を行った。これらの系は、特有の周期構造を複数示すことがわかった。特に、酸素に関しては、メタノールの選択的酸化(ホルムアルデヒド生成)に活性であることがわかっているが、これに関して、振動分光法を用いることで、酸素種の存在状態を明確にすることができた。メタノールの酸化過程について、同様に振動分光法で測定したところ、ホルムアルデヒド生成はきわめて早いために、中間体の同定はできなかった。リンに関しては、亜リン酸トリメチルを用いることによって、表面にリン原子をドープすることができた。そして、新たな周期構造が観測された。また、このようにして作成した表面においては、チオフェンの脱硫過程が起こり、ブタジエンが効率よく生成することがわかった。これらの結果は、表面上に、新たな反応場を作成することに成功したことを示している。これらの系にTP-ESDIAD/TOF systemを適用することで、反応過程のリアルタイム観察および、電子励起状態を経由した反応過程発現が期待されるが、これについては、現在試行を行い、最適な実験条件を探索しているところである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)