積分方程式法に基づく,液体の非経験的電子状態理論の構築
Project/Area Number |
12740329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
佐藤 啓文 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (70290905)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 液体の積分方程式理論 / 非経験的分子軌道法 / 擬ポテンシャル法 / 分子間相互作用 / フーリエ展開した分子積分 |
Research Abstract |
大部分の液体の積分方程式理論においては、分子間の相互作用を相対的距離の関数を用いて表現する。これに対して、一般の分子軌道法に基づく手法では三次元実空間における相互作用を前提としている。このために、両者の間を直接関連付けることは困難である。前年度までの研究から、本研究課題を実現する上での最大の問題の一つは、以上の様な分子積分の方向依存性の実際的な処理であることが解った。 これらを受て、今年度は、(1)三次元実空間と相対距離で定義される空間(Distance Geomtry)との関連を明らかにするとともに、(2)スペクトル表示による擬ポテンシャル法を用いて、電子状態・液体構造を決定する方法の開発に取り組んだ。 (1)は前年度からの継続であり、二つの空間表現を結びつけるためには、誤差関数を最小化する方法と計量行列を直接対角化する方法の二つがあることが解った。特に前者はRISMなどの相互作用点モデルの計算結果の解析に有効な方法となることを示し、学術論文として発表した。一方(2)は上述の問題点を、sおよびp型関数の場合に解決する方法を考案し、プログラムを作成の上、Ne原子からなる単純液体の系の計算を行い、本研究課題の目的であった、液体を非経験的電子状態理論に基づいて実際に計算できることを示した。新しいこの方法では、温度や密度によって電子分布の広がり方が変化していく様子を正しく記述することが可能である。この方法は、溶媒和電子をはじめとした、従来法では不可能であった系の計算など、今後の発展が期待できる。この結果については現在発表準備を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)