Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
平成13年度の研究計画に従って研究を行い、以下に示す結果を得た。 当研究室で新しく開発した高速振動粉砕法を用いる固体反応および、比較実験としての溶液反応により、フラーレン類の骨格変換反応を検討した。すなわち、フラーレンC_<60>。と4-aminopyridineとの固体反応によって既に報告しているC_<60>二量体に加えて、鎖状のC_<60>三量体ならびに、トライアングル型のC_<60>三量体を合成した。この三量体は極めて有機溶媒に難溶であったため、STMによる直接観測を行い、その構造が鎖状ならびにトライアングル型であることを明らかにした。また、これらの構造はHF/3-21Gによるab initio計算によって支持されることを示した。 一方、3,6-di(2-pyridyl)-1,2,4,5-tetrazineとの固体反応では、ほぼ定量的に[4+2]付加環化反応が進行することが明らかとなった。また、この付加体をC_<60>共存下固体状態で加熱すると2,3-diaza-bicyclo[2,2,2]oct-2-ene骨格に2個のC_<60>が導入された新規フラーレン二量体が得られることがわかった。この分子内にはお互いに近傍に固定された二個のC_<60>骨格が存在するが、これらのC_<60>骨格間には還元の際に電子的な相互作用があることを電気化学的測定によって示した。また、比較実験としての溶液反応では上記の二量体は全く生成せず、C_<60>の6員環の1,2,3,4-位での付加体が加水分解によって生成することを見出した。 さらに、1,2,3-triazine誘導体とC_<60>の溶液中での熱反応では、付加の後に他段階の転移反応を経由してC_<60>骨格に8員環開口部をもつ誘導体が得られることがわかった。この誘導体と一重項酸素との反応を検討したところ、8員環開口部の二重結合が選択的に酸化的に開列されて、12員環の開口部をもつC_<60>誘導体が得られることがわかった。
|