液・液界面で新生した活性化学種の特異反応性の分析化学的研究
Project/Area Number |
12740408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 裕美 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助手 (40314306)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 液液界面イオン移動 / 親水性イオン / 活性化学種 / 界面イオン移動自由エネルギー / 極大波 / イオン対 / 界面吸着 / 吸着リン脂質 / 液・液界面 / ボルタンメトリー / 酸素 / 酸化還元反応 |
Research Abstract |
水相|有機相界面近傍に存在する化学種は水相中より弱く溶媒和しており、従って、水相中の化学種と反応しやすい、すなわち活性であると考えられる。本年度は、この活性化学種の生成する条件および生成機構を確定し、その分離・検出反応における役割を解明するために、次の研究を行った。 (1)極大波の発生を伴う親水性イオンの水相|有機相界面移動自由エネルギーの決定 有機相から水相へ親水性のイオンが移動するとき、異常に大きなイオン移動波(極大波)が生じる。界面移動直後の親水性イオンは、水和が不十分であり、また、表面電荷密度が高いために活性であり、界面で容易にイオン対を形成して界面へ吸着することに起因する。本年度は、多成分系のイオン対抽出平衡の概念を拡張した親水性イオンの水相|有機相界面移動自由エネルギーの決定法を開発し、これを適用して、イオンの親水性度と極大波の大きさ(すなわち、イオンの活性度)の関係を正確に評価した。 (2)水相|有機相界面での活性化学種の生成におよぼす界面吸着リン脂質の影響 水相|有機相界面でのイオン移動反応に伴う活性化学種の生成におよぼす界面吸着リン脂質の影響を検討した。これは、生体膜反応における活性化学種の役割を評価するためである。親水性度・疎水性度、電荷などの特性を念頭においてイオンを選んで、検討した結果、親水性カチオンの界面移動の場合だけ、移動反応によって界面吸着リン脂質が脱着し、アニオンや疎水的なイオンでは脱着は観察されなかった。親水性イオンは界面で脂質と錯生成して逆ミセルとして有機相へ移動するためである。界面吸着リン脂質の影響が著しいイオン移動反応においては、界面吸着リン脂質と反応する活性化学種が生成していると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)