Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
環境水中の重金属イオンの毒性及び生物への影響を評価するには,その化学形態に関する情報が必須である。しかし環境水中の金属イオン濃度はppbレベルであり,毒性の強い活性錯体と毒性の弱い不活性錯体との識別は困難である。又,環境水の金属錯化容量は人間活動の影響を受けやすい都市部の河川ではμMとなるが,上流河川,湖水や海水ではさらに低レベルである。本研究では,高感度なフローインジェクション(FI)/接触分析法により環境水中の金属イオンと配位子とのnMレベルの相互作用を明らかにすべく,基礎的な検討を行った。 1.ネオクプロインが銅の,1,10-フェナントロリンが鉄の接触作用を活性化することを発見し,ppbレベルの銅,鉄の選択性の高い接触分析法を確立した。本法により,河川,池水中のppbレベルの銅,鉄を活性錯体と不活性錯体とで識別することが可能である。現在,自動化・簡便化を図るためにFI法に導入している。又,銅の接触作用を利用するビタミンCとチオール類の二成分同時定量法を開発した。 2.錯化容量の測定には,試料水に金属イオンを滴下する滴定法が一般的である。Nitro-PAPS共存下の鉄(III)によるコバルト(II)の酸化滴定を自動化・簡便化するためにフロー光度滴定法の基礎的検討を行った。今後,模擬配位子としてEDTAを用いてフロー光度滴定法の条件を確立し,環境水に適用して有用性を評価する予定である。 3.この他,大気及び環境水中のNO_x,SO_xの環境動態を解析し,又,茶成分中のカテキン類のキャピラリー電気泳動法による分離定量法を開発した。さらに局部麻酔薬のイオン会合滴定による簡易定量法を専門誌に投稿した。
|