多様な琵琶湖の湖岸形態と外来魚ブルーギルの採餌・繁殖行動の適応放散
Project/Area Number |
12740420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
服部 昭尚 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (90273391)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 行動適応 / 湖岸景観 / 潜水観察 / 採餌戦略 / 代替戦術 / 沈水植物群落 / 水深構造 / 外来種 / 適応放散 / 生息地の構造 / 種分化 / 採餌行動 |
Research Abstract |
ブルーギルは、浅い止水域に適応した雑食性淡水魚であり、約40年前に合衆国より移入し、現在、琵琶湖沿岸域のあらゆる場所に生息している。多様な湖岸形態を持つ琵琶湖において、本種がどのように適応しているのかを知るために、本年度は特に採餌行動に焦点を当て、湖岸形態の異なる2ヶ所でスキューバ潜水により観察した。昨年度と同様、岩礁地域(海津大崎)とヨシ群落沖(大浦奥出湾)において、個体別に採餌行動を観察した。昨年度、9月後半から潜水観察を試みたが、予想外にクロモが繁茂し、観察できなかった。今年度は、8月〜9月に試みたため、採餌行動が観察できた。 この結果、岩礁域とヨシ群落沖では、異なる採餌戦術を示すことが確認できた。特に、大浦奥出湾では、これまでに北米では報告されていない、水草専食の個体が頻繁に観察できた。行動パターンも明確で、「探索遊泳」→「停止インスペクション」→「水草採食」の順で採食した。しかし、行動の変異もある程度見られた:基本的に、クロモの先端から30cm以内を捕食したが、「葉を食いちぎる」、「葉をこそぐ」、さらに「葉をつつく」の3タイプが見られた。消化管の形態から、水草の消化は困難と考えられるため、付着動物を採食していると推察された。 北米では、コカナダモの優占する沈水植物群落にブルーギルは生息しているが、琵琶湖では、昨年度より、在来種のクロモへと優占種が変化し、このため、コカナダモと形態が酷似するクロモを採食対象にしたものと考えられる。 海津大崎では、やはり北米では報告されていない、岩をつつく行動が確認できたが、本年度はこの場所での個体数が激減しており、定量的な観察にはいたらなかった。しかし、つつく行動を示した岩にはカワニナなどの稚貝が多く、おそらくこれらのち稚貝を採食しているものと推察された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)