磁性細線および磁性体ドットにおける磁気構造と輸送特性の理論的研究
Project/Area Number |
12750014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 博介 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00293671)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 磁性細線 / 磁性体ドット / 輸送特性 / 磁気構造 / 量子伝導現象 / 電気伝導 / 磁性抵抗 |
Research Abstract |
本研究は,微小磁性デバイスの磁気的な輸送特性を解明し,新機能デバイスの設計指針を構築しようとするものである。しかしながら,微小な磁性体の磁気構造は十分には理解されていないし,また微小な系では無視することのできない磁化揺らぎが輸送特性に与える影響も明らかにはされていない。そこで本研究では,系の磁気構造の変化とともに電気伝導がどのように変化するのかを明らかにする。特に,強磁性金属細線やMn酸化物多結晶での磁気抵抗効果について調べる。 リード線/局在スピン系/リード線からなる一次元の系を考え,伝導電子と局在スピン間に働く強磁牲的な相互作用を量子的に取り扱い,線形応答理論を用いてスピンに依存する輸送特性の計算を行った。この相互作用を量子的に取り扱うことにより,局在スピンの揺らぎの効果を平均場近似の範囲を超えて取り入れることができ,また伝導電子が系の磁気状態を変化させながら伝播していく様子を記述することが可能となった。 計算の結果,印加する磁場の増加に伴い磁気抵抗効果は増加することが示された。これは,磁場によって局在スピン系の磁気状態が変化することにより,上向きスピンを持つ電子は透過しやすく,下向きスピンを持つ電子は透過しにくい状態が実現しているためである。また,微小な磁場での急激な磁気抵抗効果の変化は,リード線の磁化の向きの配列が反平行から平行に変化したためであることが示された。さらに,伝導電子と局在スピン間に働く相互作用から生じるスピン・フリップ散乱によって磁気抵抗効果が抑制されることも明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)