Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
高密度の熱エネルギを用いて,金属材料表面に固体潤滑剤を被膜化し,潤滑性機能の付加を試みた.熱エネルギの入力方法として,赤外線放射加熱を用いた. 固体潤滑剤にはグラファイト(C)と二硫化モリブデン(MoS_2)の単体粉末,および両者の混合粉末を,基板材料にはステンレス鋼(SUS316)と用いた.基板表面に潤滑剤粉末を塗布し,この粉末塗布層表面に赤外線加熱装置を用いて赤外線を照射し,潤滑剤粉末と基板表面を高温に加熱することにより被膜を作製した.被膜の摩擦特性は,直径6mmの軸受用鋼球(SUJ2)との無潤滑往復動すべり摩擦試験により評価した.試験条件は,接触荷重8.8N,往復幅5mmすべり速度0.59mmsとした. 被膜の形成条件と摩擦摩耗特性を検討した結果,以下のことがわかった. (1)グラファイトまたは二硫化モリブデンの単体粉末よりも,両者の混合粉末を用いて形成した被膜は良好な潤滑性と耐久性を示す.また,最も良好な耐久性を示した混合比はグラファイト75vol.%,二硫化モリブデン25%vol.である. (2)混合粉末において,二硫化モリブデン粉末は粒径の大きなものを用いることにより,良好な潤滑性と耐久性を不す被膜が形成される. (3)照射電流を高くすると,形成された被膜は厚くなるが,表面は粗く,基板との密着性がないため潤滑性と耐久性を示さない.一方,最適な照射電流で形成された被膜は,良好な潤滑性と耐久性を示す. (4)アルゴン雰囲気中で加熱にすることにより,潤滑性に悪影響を及ぼすモリブデン酸化物の生成を防ぎ,空気中加熱よりも良好な潤滑性と耐久性がある被膜が形成される.
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