Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
低速電子線用の蛍光体の研究進展が滞っている理由として,固体への電子線の侵入深さ,エネルギー伝達領域等についての解明が十分になされていないためである.これは低速電子線励起において,電子線の入射エネルギーの定量的な解析が不可能であったことが原因の一つである.我々はこれまでの研究で,低速電子線励起時における蛍光体の表面電位の測定方法を確立した.この方法により,低速電子線照射における固体表面への入射電子エネルギーが定量的に示すことができるため,低速電子線の侵入深さについての研究を行っている.昨年度に引き続き,硫化亜鉛(ZnS),アルミニウム(Al),酸化イットリウム(Y_2O_3),ストロンチウムチオガレイト(SrGa_2S_4)についてへの電子線の侵入深さについて実験的な側面から検討を行い,更にその理論的な裏付けを行うために,モンテカルロシミュレーションによる解析を行った. 実験を行った上記の材料はいずれも,これまで知られていた理論値(Feldmanの値)よりも,より深く電子線が侵入しているという実験結果が得られた.モンテカルロシミュレーションにより,解析を行ったところ,Feldmanにより得られた値よりも深く侵入しているという結果が得られたものの,実験値には及ばなかった.そこで,低速電子線の侵入が,高速領域では考慮する必要の無かった要因があるのではないかと考え実験を行った結果,固体への電子線照射によって発生する固体内に発生する電界が,一次電子の侵入及び二次電子の拡散に大きな影響を与えている可能性が示唆された.
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