Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
真空アーク蒸着法において生成膜へドロップレットが付着する問題を解決する手法として,遮蔽板を用いたシールド型アーク法が開発され,劇的な成果をあげた。その次の段階として,膜の密着性および充填密度の改善が要求されている。一般に,これらの改善にはイオンミキシングが有効であるが,従来のイオンガンは大型のため,シールド型アークに適用するのは困難である。また,従来のイオンミキシングでは,イオンを基板に対し斜め方向から照射しているので,結晶粒が大きくなり,表面祖度が高くなってしまうという問題がある。以上の点を改善するため,シールドを兼ねた薄型の円盤状イオンガンを開発し,アーク蒸発源と同軸上に配置させることを考えた。 本年度は,薄型円盤状イオンガンを設計・製作することを目標に研究を行った。基本的な仕様は以下の通りである。 1.イオンガンサイズは直径70mm,厚さ40mm以下 2.高エネルギー(50〜150eV):加速グリッドには数キロボルトの電圧を印加可能 3.大面積照射(50mmφ) なお,加速グリッドも実験パラメータとするため,これを取替え可能なように設計した。 イオン源の基本動作については,当初の計画通り,加熱フィラメントで発生させた熱電子を利用し,円盤状容器内にプラズマを発生させた後,そのプラズマ内のイオンを加速グリッドで引き出し,加速するようにした。現在,設計が終わり来年度に計画している性能評価パラメータ(イオン種,イオンエネルギー分布,およびイオン電流密度の空間分布)の計測に向けて,イオンガンを製作中である。また,成膜に最適と考えられる動作条件を割り出すために,成膜実験の準備を進めている。
|