π電子共役系分子を用いたSPMプローブチューニングとその応用に関する研究
Project/Area Number |
12750275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
高嶋 授 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助手 (10226772)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 導電性高分子 / ポリアルキルチオフェン / カーボンナノチューブ / 凝集構造 / ノーマルデバイス / 移動度 / π電子共役系 / SPMプローブ / PN接合ダイオード / 電解析出 / 酸化チタン |
Research Abstract |
電解研磨法によって作製した白金イリジウムSPMプローブヘのπ共役系修飾としてカーボンナノチューブの先端固定化を図った。エタノール水溶液中でマルチウォールカーボンナノチューブを分散化した溶液中にプローブを浸し、引き上げると約1/5程度の割合でプローブ先端にナノチューブが吸着したプローブを作成することができた。一方で、その先端部位のみに有機物を固定化する過程では、プローブ部位先端部のみへの有機物固定化が問題となった。吸着した有機物の特性として期待される明瞭な電気電導特性を見いだすことは、本研究期間内においては達成できなかった。一方ポリアルキルチオフェンを融点付近でウィスカー状に延伸し、これをチャネルとしてSPMプローブ、基盤間を接合した法線型デバイスを試作し、その電気伝導性を調査した。未ドープ状態の場合電導電流は殆ど観測されなかった。一方ヨウ素ドープを行うと僅かに電導電流の確認ができた。しかしこうしたドープ状態での電導電流は極めて不安定で、空気中へ出すと同時に電導電流は検出できなくなった。これは、電導チャネルの空気中への接合面積が大きいため、ドーパントであるヨウ素は容易に飛発し安定なドーピング状態を保持することは困難であることが判明した。ポリアルキルチオフェンの分子凝集形態について調査検討を行った。ポリアルキルチオフェンは、基板との相互作用により乾燥基板に対して強い基板吸着性を示し、分子配向は基盤面に対しインプレーンな状態を示す。こうした配置構造は成膜法により変化し、アニール処理により配置構造の成膜依存性はより明確になることが判明した。特にキャリアー輸送はキャスト法では非分散的になる一方、スピンコート法では輸送が強い分散系を示した。以上のことは、分子配置によりその移動度が大きく異なることを示唆する。分子凝集構造として、基盤面に対しアウトオブプレーンな配向成分が向上すれば、キャリアー移動度として高い成分を有するキャリアーが増加するが、その分布幅が広がり非分散的となるとして説明される。以上のことは、分子内電導が、キャリアー輸送性能に大きく影響を及ぼしている事を意味し、ここに提案するプローブ型法線デバイスが分子性能を引き出す効果的なデバイス構造であることを示唆する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)