マイクロイオンビームによる非晶質シリカにおける3次元フォトニクス構造の形成と評価
Project/Area Number |
12750278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
西川 宏之 芝浦工大, 工学部, 講師 (40247226)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 非晶質シリカ / マイクロイオンビーム / フォトニクス / 3次元微細構造 / 顕微分光 / フォトルミネッセンス分光 / ラマン分光 |
Research Abstract |
初年度は、下記の3点に重点を置き研究を遂行した。 (1)DUV-VIS励起顕微PL・ラマン3次元分光法(現有備品)による3次元微細構造のミクロ評価:誘起構造の電子状態および振動状態の高分解能(〜1μm)3次元同時マッピングによる解析。 (2)機器分析(ESR、UV-VUV吸収測定)による物性評価 (3)TRIMによる注入イオンのエネルギー損失シミュレーションと誘起構造分布の相互相関調査。 上記の実験を遂行すべく、バルクシリカガラスに短冊状のH^+マイクロビーム照射を行い、顕微フォトルミネッセンス(PL)・ラマン分光により評価した。488nm励起時のPLスペクトルにおいて、650nmのPLピークを観測した。これは、既報によると非架橋酸素正孔(≡Si-O・、Nonbridging oxygen hole center(NBOHC)、"・"は不対電子を表す)に帰属し、電子スピン共鳴(ESR)によっても確認した。帰属が明確でない発光を含め複数の発光性を有する特異構造の形成を確認した。一方、ラマン散乱ではイオン注入による顕著な変化は観測されなかった。さらに1μm幅の照射領域において3次元PLマッピング測定を行った。例えば、深さ30μmでPL中心の分布幅が約十数μm程度である。このPL強度分布は(3)項のシミュレーション結果を踏まえると、イオン進展に伴う飛跡の広がりを反映している。なお、DUV(244nm)励起によるPL測定では、酸素空孔による290nmのPLを観測し、その分布を調査中である。また、上記項目(2)に関連して、ESRおよびVUV分光による評価も行い、相補的なデータを得ている。 以上、マイクロビーム照射した微小領域におけるPL測定による特異構造の同定、およびその分布を明らかにすることに成功した。これにより、マイクロビーム照射領域の評価手法として顕微分光評価の有用性が示された。次年度の目標とする3次元フォトニクス構造の形成に向けて、大きな成果が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
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[Publications] 惣野崇,西川宏之,山口喬之,渡辺英紀,西原義孝,服部雅晴,藤巻真,大木義路,及川将一,神谷富裕,荒川和夫: "シリカガラスにおけるイオン注入領域のミクロ評価"第32回電気学会電気電子絶縁材料システムシンポジウム予稿集. 269-272 (2000)
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