Project/Area Number |
12750282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
清田 英夫 九州東海大学, 工学部, 講師 (80269109)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ダイヤモンドライクカーボン / アモルファスカーボン / DLC / 液相合成 / 電解放出 / 窒化炭素 / 非晶質炭素 / 電気分解 / 電子材料 |
Research Abstract |
現在、様々な研究機関において、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、カーボンナノチューブといった炭素系物質が注目を集めている。本研究では、これらの炭素系新素材を様々な分野で実用可能とするためには、従来にない新たな合成法の確立が必要と考え、溶液中でのDLC膜の合成と不純物ドーピングを試みた。 まず、メタノール中に設置した電極間に直流高電圧を印加することにより、マイナス電極側の基板上にDLC膜が堆積することを確認し、合成に最適な溶液温度や電流等の条件を明らかにした。さらにDLCが析出する過程において基板表面と液相中のイオンやラジカルとの化学結合反応が支配的であることを明らかにした。 次に、窒素を含んだ有機溶液であるアクリロニトリルを用いて窒化炭素の堆積を試み、正電極側と負電極側のいずれにも膜が堆積し、特に負電極側に均一で厚みのある膜が得られることを明らかにした。堆積した膜のラマンスペクトルにはDLCに良く見られるブロードなピークが観測され、さらにFTIRではC≡Nによるスペクトルが観測された。これより、堆積したDLC膜に多量の窒素が含有されていることが明らかになった。また、Ti上に堆積したDLC膜からの電子放出特性を測定した結果、約5V/μmという低いしきい値電界で電子が放出されることが確認された。 基板表面付近での炭素の析出反応を促進するため、電圧印加と同時に基板表面への紫外線照射下を試みた。紫外線照射下でTi上に堆積した薄膜をラマン分光分析で調べた結果、電圧印加のみで堆積した薄膜とは異なるシャープなスペクトルが観測された。この物質の構造を完全に同定するにはまだ至っていないが、現時点ではグラッシーカーボンに類似した物質であると考えている。これらの結果から、紫外線照射下での液相合成実験によりDLC以外の様々な炭素系物質を合成できる可能性があることが明らかになった。
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