Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本年度は,引き続きマルチキャリアを用いた符号の順列と組み合わせを用いたマルチコードCDMAの構成法に関して検討を行った.本研究におけるマルチコードCDMA方式は,拡散符号の順列・組み合わせを用い,複数キャリアで情報を伝達する方式である.従来,拡散符号の組み合わせを用いた並列組み合わせ方式等は提案されているが,本研究では,さらに複数キャリアとキャリア番号の順列を取り入れているため,より少ない符号にてより多くの情報を伝達できるものと考える.以上の方式の有効性を理論解析およびシミュレーションを用いて検証を行い,従来システムと同じ帯域で,誤り特性を維持しつつ約二倍の情報量を伝達可能であることを示した.それらの結果は電子情報通信学会の論文誌に掲載された. 本年度ではさらに,移動局に適したシングルユーザ受信機についても検討を行った.DS-CDMA方式では,拡散符号チャネルの数による干渉量がシステム容量を決定する支配的な要因となるため,他局干渉除去に関する研究が盛んに行われている.DS-CDMA受信機では,マルチユーザ受信機とシングルユーザ受信機に大別できる.直交化フィルタを用いたシングルユーザ受信機は,そのタップ重みベクトルを干渉となる全ての符号ベクトルに対して直交するように制御しながら受信するため,多くの符号チャネルが存在する場合には,整合フィルタを用いた受信機よりも良好な特性が得られることが知られている.しかし,符号数の増加に比例して,適応化に必要な計算量が増加するため,受信機の構成および処理時間が増大するという問題もある.そこで,本研究では,より計算量を削減して受信するために,複数拡散符号チャネルのうち,一つのみに直交化フィルタを用い,残りのチャネルには直交化フィルタによって得られたタップ重み係数の情報を利用する整合フィルタを用いて受信する方式について検討した.複数符号を用いたマルチコードDS-CDMAに直交化フィルタを用いた場合,フィルタのタップ重み係数は各拡散符号系列のみに依存し,データには依存しない.よって符号の要素が等しいチップに相当するタップ重みは等しくなる.そこで,直交化フィルタを用いたチャネルと符号の要素が等しい部分には,適応化されたタップ重みを用い,それ以外のチップに対しては拡散符号自体の要素を用いて逆拡散を行う方式を検討した.全てのチャネルに直交化フィルタを用いた時よりも,若干誤り率特性は劣化するものの計算量を大幅に削減できるため,移動端末には最適な方式であることを明らかにした.
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