Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,時系列画像信号をその周波数特性を利用して処理を行うシステム設計に関し,特に空間周波数と時間により構成される3次元混成領域において移動物体を検出・追跡する新たなモデルを提案し,これによる移動物体監視システムを設計することが目的である. 昨年度の成果として,速度変化を伴う移動物体は,空間周波数・時間混成領域において時間周波数が変化する擬似周期信号(1次元複素信号)の束となることから,この擬似周期信号を推定する拡張複素カルマンフィルタを設計し,プロトタイプのシステムを構築した. 本年度は,このプロトタイプモデルを基礎にして,より実際的なシステムヘ発展させて,その有効性を実際の画像列の処理を行うことで検証した.特に実際の場面に利用可能な監視システムに発展させることに重点をおいて展開した.得られた知見は次のとおりである. 1.混成領域における疑似周期信号の時間周波数と空間周波数の関係,移動物体・背景・雑音のスペクトル特性から,速度推定を空間周波数の低域に限定して行い,良好な結果を得た. 2.移動物体の加速度が変化する場合など,より実際的な人工画像に対しシミュレーションを行しい良好な速度推定,物体抽出が行えることを確認した.また実画像を用い,移動物体が複数存在する状況下での正確な推定・検出の実現を試み,物体それぞれを分離して良好に速度推定・抽出できることを確かめた. 3.移動物体の速度ベクトルの推定結果からパン制御を行うカメラのトラッキングシステムを開発した. 以上本研究により,従来手法(速度ベクトル一定の移動物体をモデルとするフィルタの適応処理)とは異なり,直接的設計により速度ベクトルが時々刻々変化する移動物体の速度推定および物体抽出を行うシステムを新規に提案し,また,実際的なシミュレーションにより本手法の有効性を明らかにした.
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