Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
近年,制御工学における様々な問題を行列不等式によって記述し数値的に解く試みがなされている.いくつかの問題は線形行列不等式(LMI=Linear Matrix Inequality)で記述でき,内点法などのアルゴリズムによってその大域的最適解が得られているが,双線形行列不等式(BMI=Bilinear Matrix Inequality)でしか記述できない問題も少なくない.この場合,問題は凸にならず,大域的最適解を得ることは困難である.すでに多くの研究者がBM1問題の効率的な解法に挑んでいるが,有効な方法がまだ見つかっていない.BMI問題の中でも比較的解きやすいものとそうでないものをクラス分けしたり,あくまでBMIの枠組みの中でアルゴリズムの工夫により計算効率の向上を図るものが多い中で,本研究の目的は従来とは異なる視点でBMI問題を効率的に解くための新しい方法論を確立することである. 基本的には「平方完成によるBMI変数の分離と準不定二次項の逐次LM1化」に着目し,研究を進めた.これにより,従来LMIで記述できないと思われていた問題のいくつかを逐次的にLMIに変換して解けるようになった. 1.平成12年度は,多目的制御系設計問題(H_2/H_∞制御,領域極配置,強正実H_2制御)を動的〔静的〕状態〔出力〕フィードバックの4ケースについて解くアルゴリズムを開発し,数値例によりその有効性を検証した. 2.平成13年度は,研究の中心を多目的制御系設計からゲインスケジューリング制御系設計に移し,パラメータ依存Lyapunov関数を許容しながら問題を解いた.そして,航空機のような,よりリアルで飛行条件が広範囲に変化するような制御対象を想定し,新しく開拓した理論の可能性を探った. 以上の研究を通じて「消去補題の逆適用による拡張空間での制御系設計」という新しい研究分野を開拓した.これをさらに発展させることが今後の課題である.
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