Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
前年度に提案した「擬似受動歩行システム」の拡張をおこなった。擬似受動歩行システムとは重力を最大限に活かしつつ,小アクチュエータを併用して受動歩行を能動制御するものである。今年度は荷重移動が省エネにどのような影響を及ぼすかに重点を置き,新型機を製作した。 重心の上下動,すなわち腰部の上下動に着目し,歩き方を大まかに二パターン用意した。一つは昨年までと同様,遊脚の振り抜きに際して脚を伸縮して腰部の上下動が生じるもの,もう一つは遊脚の伸縮を床との接触回避にのみ使い,腰部を上下動させないものである。比較実験の結果,腰部の上下動を抑えることにより3割近い省エネ効果が認められた。特に上半身の荷重を増やしていった場合,両者の差はさらに拡大することを確認した。今後の人型ロボット等への応用を考えると,後者の優位性を明確に示すことに成功したと言える。 さらに上半身の前後動が与える影響についても検証をおこなったが,現段階では明確な省エネ性については確認できないところである。しかしながら上半身の前後動が遊脚の振り抜きの反動となり,外乱の影響を受けにくくなっていることが確認できた。よって実用上においては前後動を併用することは外乱抑圧のためのコスト(計算・エネルギー等)の削減になることが期待できる。 なお,今年度の研究を通して,受動歩行に特徴的な「丸い足裏」からの脱却への道筋をつけることができた。これは荷重の観測により適度なトルク入力を行なうことで普通の扁平足裏でも「丸い足裏」と同様の重力作用を得ることが可能であることを数学的に示したものである。適切な設計により,最終的にはバネ要素の付加のみで実現が可能である。実験機の足裏をこれと取り替え,「丸い足裏」と同様の歩行が実現できることを確認し,いわゆる普通の人型ロボットへの適用が楽しみな結果となった。
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