需要弾力性の低い市場における交通事業者のサービス水準決定メカニズムの分析
Project/Area Number |
12750482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
交通工学・国土計画
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡村 敏之 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (90314781)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 都市鉄道 / サービス水準 / 設備投資 |
Research Abstract |
(1)「社会的圧力最小化投資行動」の検証 昨年度に構築した「サービス-コストサブモデル」を用いて、東京圏、関西圏の大手民鉄事業者9社を対象に、各社の1967年以降の5カ年ごとの設備投資実績を表現することで、以下のことを明らかにした。 ・事業者は、単位サービス改善に対する限界費用が5円/分前後の水準で設備投資を行ってきた。 ・どの事業者も同様程度の限界費用で設備投資をしていることから、事業者は、利用者の時間価値がこの値前後であると認知して設備投資を行ってきたと考えられる。 ・ただしこの値は、他の交通モードにおける時間価値に比べて費用に低い値である。 (2)「社会的圧力最小化投資行動モデル」から導かれる鉄道政策に対する提言 鉄道事業者が設備投資を決定しそれを実行できるときとは以下のときであると言える。 「当該事業者内の利用者間での内部補助が、利用者の感覚、制度の運用面の2点から見て容認されやすいとき(なぜなら、設備投資資金の回収が、基本的に、当該事業者の利用者間での内部補助(路線(区間)間/時間帯間/時代間)に依存しているため)」。 またそれらの事業実施の結果としてサービスが向上(混雑率が低下)するのは、a)減価償却費の範囲内でサービス改善が可能な場合b)需要の伸びによる収益増加分(平均運営費用低減分も含む)を財源にして需要の伸び以上の容量増加投資が行える場合、などごく限定された場合に限られる。 従って、鉄道事業者にとっての設備投資の実施可能性の高さと、鉄道利用者にとっての事業の必要性・逼迫性(=プロジェクトの有効性)とは、必ずしも一致しない。従って、必要性の高い事業が実施可能となるような制度が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)