| Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
|---|
| Research Abstract |
本研究では,建築プロジェクトに関わる多くの組織や人間の利害対立(コンフリクト問題)を解決するような意思決定支援システムの開発を目的とした。昨年度に構築された枠組みにしたがって,本年度は次の4項目についての成果を得た。
1.コンフリクト問題におけるプレイヤー,オプション,シナリオ等の構成要素の定義を確立し,問題のモデル化のプロセスを具体的に示すとともに,メタゲーム分析による均衡解算定手法を縮約・改良し,実用的な解法を提案した。
2.オブジェクト指向言語を用いて,パソコン上に前述の解法を実装した。これにより,利用者が諸条件を変化させて均衡解の探索を試みることが可能となり,利便性が向上した。
3.中国の住宅供給に関わる政府・建設会社・住民のコンフリクト問題を調査し,問題のモデル化ならびに均衡解の探索を行い,前述の解法によってコンフリクト問題の解決が可能であることを検証した。
4.高層マンション建築プロジェクトにおける建築主と地域住民のコンフリクト事例を分析し,問題のモデル化,均衡解の探索を行うとともに,第二者となるプレイヤーがモデルに与える影響の分析,さらにシナリオの主観的評価の感度分析を行い,前述の解法の適用可能性を示した。
以上より,経験や感情によらない合理的なコンフリクト問題の解決方法を提案し,建築プロジェクトに固有の不確定性,多元的評価の条件下での実践的な適用可能性を示す,という当初の研究目的が達成された。
|
