Project/Area Number |
12750573
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨島 義幸 金沢工業大学, 工学部, 講師 (80319037)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 中世 / 仏教建築 / 顕密仏教 |
Research Abstract |
平成12年度の研究で得られた成果を再考・補強し、学術論文として発表するとともに、平成13年度の新たな個別研究およびその発表を加え、両年度の研究成果について密教を主軸として総括した。 1.平成12年度の研究成果の公表--平成12年度の研究成果である(1)平安時代の阿弥陀堂に現れた両界曼茶羅の理念についての考察、(2)相国寺七重塔建立の意義についての考察、を再検討・補強し、学術論文として発表した。 2.院政期における法勝寺金堂の意義--法勝寺金堂の意義について、平安宮大極殿との関係に注目して考察した。白河院は院政確立のなかで大極殿仏事を解体・再編し、天皇の大極殿仏事と、院の法勝寺金堂仏事とをあわせて完結する国家仏事体系を確立、両者を二条大路・二条大路末という都市軸によって結び、鎮護国家仏事を担う天皇・院からなる「王家」の在り方を、都市空間のなかに体現することになったことを明かにした。 3.平泉の都市空間と仏教--奥州藤原氏時代の平泉の都市空間の在り方について、仏教建築に注目して考察した。平泉南辺や中尊寺の在り方に白河・鳥羽院政期京都の新市街との共通点がみいだされ、そこに造営された建築・伽藍の形態にまでも京都の諸寺との共通点を多分に含みながら、都市の総体としての平泉の信仰の在り方は京都とことなることを具体的に明かにした。 4.研究の総括--中世顕密仏教を大きく捉える枠組を構築すべく、とくに重要な意味をもつ密教を中心に、建築空間の展開を総括した。密教が、密教系寺院の建築のみならず、天皇の御願寺、貴族の氏寺をはじめ、山岳信仰さらには神仏習合の空間を支える理念として、中世の建築空間に多大な影響を与えたことを、建築に関わる諸現象から実態にそくして明かにした。(冨島義幸「密教空間の形成と展開」<脱稿済み、鈴木博之他編『都市・建築・歴史』東京大学出版会、近日刊行予定>)
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)