特異な層状構造を利用したビスマス層状強誘電体の材料設計
Project/Area Number |
12750595
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 祐二 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60293255)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 強誘電体 / 結晶構造 / 残留分極 / 抗電界 / ビスマス層状構造強誘電体 / 格子欠陥 / 空孔 / リートベルト解析 / 不揮発性メモリー / 分極疲労 |
Research Abstract |
次世代のコンピュータに搭載されるメモリとして、強誘電体メモリが期待されている。これは、DRAMのキャパシタの部分を強誘電体で置き換えたものであり、電圧をオフにしても電荷が蓄えられるという強誘電体の分極特性を利用した究極の不揮発性メモリとして位置づけられている。強誘電体には、大きい分極をもつこと、低い電圧で動作すること、電圧の反転により分極が劣化しないことが要求される。現在もっとも有望な強誘電体は、Bi層状構造をもつSrBi_2Ta_2O_9(SBT)である。しかし、残留分極値が小さいという欠点がある。Bi層状構造強誘電体は、酸化ビスマス層とペロブスカイト層が交互に積層した層状構造を持つ。この申請研究では、Bi層状構造強誘電体の特殊な層状構造を利用した新たな材料設計指針の確立を目的として、基礎研究を行った。本申請者は、Bi層状構造強誘電体に属するBi_4Ti_3O_<12>(BIT)において、欠陥の制御により従来の3倍もの巨大なP_r(非鉛系層状構造強誘電体で世界最高値:P_r≒21μC/cm^2)を達成した。BITにおいて得られるP_rが小さかったのは、ドメイン壁に局在するBi空孔一酸素空孔の複合欠陥が、電界によるドメイン壁の移動を妨げるピニング中心として働くためであることを突き止めた。Tiよりも価数の大きいVおよびWの微量添加により、移動度の大きい酸素空孔の低減をはかると同時に、陽イオン空孔-置換イオンダイポールの形成という秩序欠陥の制御により、強誘電特性が飛躍的に改善された。格子欠陥を、電子・原子レベルでの秩序構造を考慮して積極的に導入・利用するという欠陥エンジニアリング(本申請者が提案)により、鉛を含まない強誘電体で、PZTに匹敵する分極特性が初めて得られた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)