Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成12年度に引き続き,生体触媒による内分泌撹乱化学物質の分解処理システム(バイオレメディエーション・システム)の研究を進めた。平成12年度に開発した回転型バイオリアクターを用いて,砂質に付着したノニルフェノールの分解を行い,反応条件の検討とリスク削減の検証を行った。生体触媒としては白色腐朽菌Trametes sp.由来のラッカーゼを用い,モデル汚染底質としてノニルフェノールを付着させた海砂を用いた。反応装置としては5x5x6cmの正方柱型の反応容器内でモデル汚染底質を回転させる,回転型リアクターを用いた。リアクター中にて,主としてpH5, 30℃にて,15gのモデル汚染底質を酵素溶液45mlを用いて処理した。まず,リアクターの回転軸の角度が反応速度に与える影響について検討した。40-90度の範囲では角度を小さくすると処理速度が高くなったため,40度が最適であった。回転速度については0-45rpmの範囲では10rpmが最適であり,10rpm以上では,回転に要する動力は高くなるが,処理速度は高くならなかった。この傾向は酵素液量を変化させたときも同じであった。次に酵素濃度を変化させて処理反応を行ったところ,反応速度は酵素濃度の約1/2乗に比例してしか増加しなかった。砂粒子の表面上のノニルフェノールに対しては,酵素濃度を高めても酵素濃度当りの作用効率が低下すると考えられた。反応温度を高めると40℃までは反応速度が高められた。ただし,10℃においても反応時間を長くすると90%以上の処理が可能なことが示された。最後に,オスメダカを用いた暴露実験にて,処理後の砂質からの抽出物の毒性評価を,血中ビテロゲニン濃度を指標として行った。その結果,ラッカーゼ処理によりノニルフェノールの内分泌撹乱作用が大きく低下することが示された。
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