Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
相体論的電子状態理論の開発とその応用 重い原子を含む系を研究する際には相対論効果が非常に重要になってくる.理論的に相対論効果を考慮するため,非相対論的なSchrodinger方程式を解くかわりに,Dirac方程式が用いられる.しかしながら,Dirac方程式はlarge成分とsmall成分からなる4成分spinorを持つため計算コストが高く,これまでは分子への適用は小さな系に限られてきた.そこで,4成分Dirac方程式をより大きな分子に適用できるようにするため,この方程式を解くための効率的な計算スキームに基づき,相対論的なHartree-Fock法及Kohn-Sham密度汎関数法の計算プログラムを開発した.また,更に大規模な分子系において相対論効果を考慮するためには,4成分のDirac方程式を明白に解くかわりに,ある相対論的近似を行うことが効率的になる.我々はこれまでにDirac方程式の持つsmall成分を消去することにより,RESC法と呼ぶ新しい相対論的電子状態理論を開発してきた.最近では高次Douglas-Kroll法と呼ぶ相対論的近似理論も新たに開発している.そして重原子を含む分子系の基底状態と励起状態の計算にこれらの方法を適用し,重原子分子の電子状態の解明を試みた.
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