核酸の一電子移動、ホール移動に与える塩基対形成の影響の解明
Project/Area Number |
12750732
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50314422)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | DNA / 核酸塩基 / 電子移動 / ホール移動 / 塩基対形成 / 水素結合 / ラジカルカチオン / レーザーフラッシュホトリシス / 塩基対 / レーザーフラッシュフォトリシス |
Research Abstract |
DNAの一電子酸化ではグアニンGのラジカルカチオンが生成し、鎖切断や変異が起こる。DNAの光電子移動反応を制御することが可能になれば、DNAの位置特異的切断によるガン治療などへの応用が可能になる。このような電子移動反応の制御として、水素結合による、方法が考えられる。そこで、核酸の-電子移動、ホール移動に与える塩基対形成の影響の解明を目的に1)核酸塩基対が一電子酸化反応速度に与える影響の解明、2)塩基対の形成がホール移動速度、反応性、反応生成物に与える影響の解明、3)核酸塩基対の形成が変異原生成物に与える影響の解明について研究を行い特に核酸塩基対の形成がDNAの一電子酸化反応速度に与える影響を明らかにするとともに、水素結合によって核酸塩基の一電子酸化反応速度を制御できることを見出した。ところで、DNAでは隣り合う核酸塩基どうしのπ-スタッキングとともにG : CおよびA : T核酸塩基対間の水素結合が存在する。それぞれが電子移動反応に対してどのような効果を示すのかはわかっていない。そのためには、実験的に2つの効果を分離した系を構築するこたが必要になる。我々はDNAの光電子移動反応におよぼす水素結合の効果を明らかにするため、DNAの親水的環境を模したジクロロエタン中のG : C塩基対の光電子移動反応によるグアニンの一電子酸化反応をナノ秒レーザーフラッシュホトリシス法によって検討した。さらに、C上の置換基の電子的性質によってグアニンの光電子移動反応速度を制御できることを見出した。結論として、電子移動反応の水素結合による制御は、緑色植物光合成系IIなどの電子移動系で重要であるようにDNAの一電子酸化においても重要な役割を果たしていることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)