電気化学的原子層エピタキシーによる半導体超格子構造の作製と光電気化学特性
Project/Area Number |
12750733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳥本 司 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (60271029)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アンダーポテンシャル析出 / 電気化学的原子層エピタキシー / 半導体薄膜形成 / 半導体超格子 / 硫化鉛 / エピタキシャル成長 / 量子サイズ効果 / 光電気化学特性 / CdS / ZnS超格子 |
Research Abstract |
高効率な光-電気エネルギー変換素子の構築を目的とし、半導体薄膜の作製に関する研究が種々の手法を用いて活発に行われている。中でもアンダーポテンシャル析出(UPD)を利用した電気化学的原子層エピタキシー(ECALE)法は、得られた半導体薄膜の膜厚や表面形態を原子レベルで制御できることから特に注目されている。本研究では、エネルギーギャップおよび電子・正孔の有効質量が他の半導体と比較して非常に小さいことから、より大きな量子サイズ効果が期待される硫化鉛(PbS)薄膜をECALE法により作製し、その光電気化学特性について検討した。(111)面を有する金電極に定電位を印加することにより、硫黄および鉛のUPDを交互に行い、PbS薄膜を電極上に積層した。硫黄および鉛原子層のUPDの際に流れた電気量から、これら元素の析出量を計算したところ、PbSの積層数が2層目以降で、析出する元素の種類に関わらず、約1.1nmol cm^<-2>となり、PbS薄膜が電極上にエピタキシャル成長していることが示唆された。このことは、PbS薄膜断面のTEM像から確認され、PbSが金電極表面でPbS[001]方向にエピタキシャル成長していることが分かった。正孔捕捉剤の存在下、PbS薄膜に光照射を行ったところ、いずれの膜厚においてもアノード光電流が観測され、n型半導体類似の光応答を示した。光電流のアクションスペクトルを測定し、その立ち上がり波長から求めたPbS薄膜のエネルギーギャップ(Eg)は、積層数が25層のPbS薄膜において約1.5eVとなり、バルクPbSの値(0.41eV)よりも非常に大きな値を示した。以上のことより、厳密に膜厚が制御されたPbS超薄膜の作製は、ECALE法により可能であること、さらに得られた薄膜は量子サイズ効果によってバルクとは大きく異なった光電気化学特性を示すことが分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)