超分子系でのπ-π及び静電的相互作用を利用したロタキサン型共役高分子の合成
Project/Area Number |
12750772
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 勲 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (00272708)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 超分子 / π-π相互作用 / 静電的相互作用 / ロタキサン / 共役高分子 / ゲスト分子 / シクロデキストリン |
Research Abstract |
グルコースの環状7量体であるβ-シクロデキストリン(β-CD)とゲスト分子となるフラン環を両端に有するπ共役分子及びシアノフェニル基を両端に有するπ共役分子を水中で攪拌したところ、β-CDの空孔中で二種類のπ共役分子が静電的に相互作用し、水溶性のロタキサン型π共役高分子が得られた。π共役分子がβ-CD中に包接していることは、^1H NMR、粉末X線回折、円二色性スペクトル測定により確認した。また、π共役高分子が得られたことは時間飛行型マススペクトルによる分子量測定により明らかにした。このロタキサン型π共役高分子の紫外可視吸収スペクトルにおける最大吸収波長は二種類のゲスト分子の最大吸収波長よりも長波長に観測された。このことは、π-π相互作用あるいは静電的相互作用を介して高分子鎖に沿ったπ電子の非局在化に基づく有効共役鎖長の伸長あるいは電荷移動に基づくものと考えられる。 β-CDと二種類のゲスト分子のどちらか一方を水中で攪拌してもロタキサン型π共役高分子は得られなかった。このことは、ロタキサン型π共役高分子が生成するためには、二種類のゲスト分子中のπ電子過剰環であるフラン環とこれに対してπ電子欠如環であるシアノフェニル環との静電的相互作用が不可欠であることが判った。 さらに、上記と同様の反応をγ-CDを用いて行ってもロタキサン型π共役高分子は得られるが、α-CDを用いた場合は得られなかった。これはα-CDは空孔の大きさが小さいため、二つのゲスト分子を包接できないためである。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)