アブシジン酸の中茎伸長促進機構の解明と直播栽培における高出芽・苗立ち率への応用
Project/Area Number |
12760009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
作物学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 肇 東北大, 農学部, 助手 (10292351)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | イネ / 幼植物 / 直播栽培 / 植物ホルモン / アブシジン酸 / 出芽 / 苗立ち |
Research Abstract |
水稲の直播栽培は最も理想的な省力,低コスト栽培技術の一つである.本研究は直播栽培の確立に関する基礎研究として,幼植物の出芽と苗立ちに最も関係の深い中茎について,その伸長の分子細胞生物学的基盤を植物ホルモンABA(アブシジン酸)の遺伝子発現の面から明らかにしようとしたものである.まず,中茎の伸長に関する組織形態学的な解析から,中茎の分裂組織は成体の節間とは異なり,鞘葉節付近に存在し,細胞分裂は求基的になされることが明らかとなった.また,ABAはこの鞘葉節付近に存在する細胞の分裂活性の持続時間を調節することによって中茎の伸長を制御していることが示された.次に,ABA処理した幼植物と対照の幼植物から,mRNAを単離し,逆転写によりcDNAを得,これらcDNAについてディファレンシャルディスプレー法により比較,検討した.その結果,用いた27種類のプライマーの中で,7種類で特異的なDNA断片が認められた.これら,対照とABA処理間で差異の認められた断片は異なるmRNAの存在を反映したものと考えられた.さらに,ABA処理した幼植物および対照の幼植物から抽出されたcDNAのPCRによる遺伝子産物の解析により,ABA処理により発現が抑制された遺伝子産物をとらえることができた.今後,これらの断片あるいは新たに発現誘導を認めた断片に対してクローニング及び塩基配列の決定を行いその機能を解析していく予定であるが,組織形態的な観察結果を踏まえ,茎頂分裂組織における細胞分裂および細胞伸長を支配すると考えられる遺伝子にターゲットを合わせて解析する予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
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