Project/Area Number |
12760018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
園芸・造園学
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三島 孔明 千葉大学, 園芸学部, 助手 (40292669)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 色彩 / 脳波 / 生理・心理的効果 / 葉色 / 性差 |
Research Abstract |
植物が人に及ぼす生理・心理的効果を視覚的側面から検討する研究のひとつとして、樹木をそのまま見せた場合と、同じ樹木を本来とは異なる色にして見せた場合の脳波を比較する実験を行った。視覚対象とする樹木にはモッコクを単木で用い、樹木をそのまま見る場合と、同じ樹木を赤い透明アクリル板をとおして見る場合、同じ樹木の葉が黒色に塗られたものを見る場合の3つを設定した。測定によって得られた脳波のデータは、α波割合(α波とβ波のパワー値の和に対するα波の割合)を算出し、対象物を見る前と見ているときのα波割合の比を求め、男女別に比較した。その結果、男女とも、樹木をそのまま見た場合と赤い透明アクリル板越しに見た場合、葉が黒く塗られたものを見た場合の3つの間に有意差は見られなかった。この結果と前年度に行った樹木と色布を比較した実験の結果を併せて検討すると、女性の場合、前年度の実験ではモッコクと色布との間ではモッコクの方で有意に高い値を示したことから、モッコクに関しては色よりも形の要因の方がα波割合に大きく影響していると考えられた。ただし、前年度の実験でナツツバキと色布との間では差が見られなかったことから、女性の場合は、対象物の色彩がモッコクのように暗めのときは形が大きく影響し、ナツツバキのように明るめのときは色の要因の方が強く影響する可能性があると考えられた。一方、男性の場合、前年度の実験ではナツツバキとモッコクと色布それぞれの間で差が出なかったことから、α波割合に色と形のどちらかが強く影響するわけではないと考えられた。むしろ、色の違いや形の違いに対して女性ほど鋭敏ではなく、視覚対象が色も形も大きく異なる場合にα波割合に差が出るものと考えられた。以上から、樹木を見たときに出るα波の割合への色彩の影響には性差があり、また樹木の色彩の明るさによってもその影響の強さが異なる可能性があることがわかった。
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