農村地域における生物多様性の評価とその保全に関する研究
Project/Area Number |
12760024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
園芸・造園学
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
一ノ瀬 友博 姫路工業大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (90316042)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 生物多様性 / 農村地域 / 地理情報システム / 土地利用 / ため池 / 生態的ネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、兵庫県淡路島の農村地域に対象地を設定した。淡路島では降水量の少ない瀬戸内海性気候のために、灌漑は天水を溜めたため池によってまかなわれており、小規模なため池が多数存在しているこの淡路島のため池の分布特性と管理主体の特徴を分析した結果、淡路島の南部には比較的規模の大きなため池が、北部には小規模のため池が多いことがわかった。そこで、北部からは北淡町を南部からは三原町を取り上げ、さらに地形的な要因や水利組合の組織形態の比較を行った結果、地形が急峻で平坦地が少ない北淡町においては、農家は小規模のため池を複数管理しており、その運営は伝統的に行われていた。一方で、扇状地に位置する三原町では、規模の大きなため池が組織的に管理されていた。これらの結果は、既に論文として発表済みである。 このような特徴的にため池が分布する農村地域において、生物がどのように分布しているのか調査研究を行った。淡路島北淡町の農村地域のため池24ヶ所において、2000年の6月から9月の間、トンボ類の分布を調査した。出現したトンボ類の種数とため池の水域面積の間には明らかな関係が見られなかった。TWINSPANによって、24ヶ所のため池は5つのタイプに分類された。ため池の環境についての変数を説明変数として、分類・回帰樹木を用いて分析を行った結果、ため池の区分には、ため池の位置する標高、隣接する樹林の存在、水域面積、水質が影響を及ぼしていることがわかった。特に、ため池の周囲の約半分以上で樹林と接していれば、林縁や暗い環境を好む種が出現することが明らかになった。さらに、2001年3月から10月にかけては、特に小規模なため池に絞って調査を行った。現在環境要因の調査を行い、結果の分析中であるが、上記の要因に加えて、草刈り等の人為的な撹乱が、トンボ類の分布に影響を与えていることが示唆されてきている。前者の結果については、論文として発表しており、印刷中である。後者については、既に学会で口頭発表済みであり、新年度に論文として発表する予定である。 その他、同じく北淡町の農村地域において、2000年12月から2001年2月の間、鳥類調査を行った。現在、調査地域の土地利用区分図を作成中であり、環境要因と鳥類の分布については、今後分析する予定であるが、GPSを用いた新しい鳥類調査方法を提案しており、手法については既に関係学会で発表済みである。また、主に北淡町と三原町の農村地域に残存する孤立樹林地の植生調査を2001年夏に実施した。これについては、2002年度も継続して実施する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)