Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.生態特性データを基にサラワク熱帯雨林樹種の挿木発根率を推定するためのロジスチック回帰モデルを作成した.このモデルは,各樹種の最大直径,生育場所の土質,標高,傾斜の特性値から,挿木の発根率を推定する.調査区(面積52ha)に300個体以上が分布する298種に本モデルを適用したところ,推定発根率20%未満の種が25種(8.3%),20%〜50%が243種(81.5%),50%以上が34種(14.0%)であった.ただし,現時点での推定精度は実用上十分とはいえず,モデルの改良が必要である. 2.熱帯季節林樹種の発根能力を調査するため,タイ北部の乾燥フタバガキ林構成樹種10種について,密閉法および被陰下でのビニールポット挿床による実験を行った.いずれの樹種でも発根は全く見られなかった.また,生態特性解明のため,永久調査区(1ha)で胸高直径1センチ以上のすべての個体の再計測を行い,Dalbergia dibgbauebsu(マメ科)の直径成長が特に早いことが明らかになった. 3.以上の結果から,熱帯林樹種の挿木発根能力と生態特性の関係を次のようにまとめた.熱帯雨林樹種の挿木発根能力は,その種の最大直径,生育地の特徴,成長速度,萌芽能力と有意な関係をもつ.これらの特徴から,挿木可能性が未知の樹種の発根能力をある程度予測できた.しかし,現在の予測精度は低く,極めて可能性の高い一部の種を特定することが可能な程度である.一方,熱帯季節林の樹種は,熱帯雨林の樹種と比べて成長が早く,萌芽能力が極めて大きいが,挿木の発根は全く見られなかった.熱帯雨林と熱帯季節林では,生態特性と挿木発根能力の関係が異なっていることが示唆される.
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