Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
機能遺伝子を用いた硫酸還元細菌(SRB)の検出と活性評価法の開発のため、異化的な硫酸塩還元過程の最終段階で働く亜硫酸還元酵素をコードしている遺伝子(dsr)の解析を行った。データベースに登録されているSRBのdsrの塩基配列と、今回新たに数種の塩基配列を決定し、それをもとにPCRプライマーを開発した。汚濁水域から分離した新種と考えられるSRB(Desulfocapsa sp.)1株とDSMZから入手したDesulfovibrio属11種,Desulfomicrobium属4種,Desulfobacterium属2種,Desulfomonas属・Desulfosporosinus属・Desulfobulbus属・Desulfosarcina属・Desulfococcus属・Desulfobacter属各1種の計19種・27株のSRBから全DNAを抽出し、新たに作成したPCRプライマーを用いてPCRを行った。その結果、全ての株で予想された長さのPCR産物が産物を得ることに成功した。次に,このプライマーを用いた定量的PCR方法について検討した。目的とするPCR産物の長さより約20%短い競合DNAを作成し,既知量の競合DNAをPCR反応液に加えることによって,試料中の未知量のDNA量を測定し,SRB数を推定する方法の開発に成功した。この方法を用いて,英国Essex州のColne川の堆積物中のSRB数を計数したところ,従来の培養計数法で計数されるSRB数よりも3〜5桁多い計数値が得られた。同じ試料を用いて放射性同位元素法による硫酸還元活性も同時に測定したところ,堆積物中のSRB単位細胞当たりの硫酸還元活性は培養したSRBのそれとほぼ同等であった。これらの結果から、今回開発したPCRプライマーと定量的(競合)PCRは環境中のSRB計数法として非常に有効であると考えられる。
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