血管内皮細胞のアポトーシスの分子機構に対する生理的なずり応力の影響
Project/Area Number |
12760193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丹羽 光一 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (20301012)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 過酸化水素 / 細胞内カルシウム / p38MAPキナーゼ / 透過性 / アポトーシス / p53 / PI 3-キナーゼ / Akt / ずり応力 |
Research Abstract |
本研究は,血管内皮細胞のバリア機能の異常をもたらすアポトーシスや透過性の変化などが,どのような細胞内機序によって起こるかを明らかにし,血流によるずり応力がこの機序にどのような影響を及ぼすかを調べることを目的として計画された. まずウシ血管内皮細胞をフィルター上に播種し,高分子(分子量40kDの蛍光デキストラン)に対する透過性が過酸化水素処理により上昇することを確認した.この透過性の上昇に,細胞内カルシウム濃度変化とMAPキナーゼ(p38MAPKおよびERK)が関与するか否かを調べるため,内皮細胞を細胞内カルシウムキレーター(BAPTA-AM)あるいはMAPキナーゼ阻害剤(SB203580及びPD98059)で処置すると,透過性の上昇はBAPTA-AM及びSB203580により抑制されたが,PD98059では影響を受けなかった.この結果から,過酸化水素による内皮細胞の透過性の上昇は細胞内カルシウム濃度とp38MAPKにより調節されているが,ERKによる調節は受けていないことが明らかとなった.また,過酸化水素による細胞内カルシウム濃度の上昇はSB203580及びPD98059により影響を受けなかったこと,過酸化水素によるp38MAPK及びERKの活性化(リン酸化)はBAPTA-AMにより影響を受けなかったことから,過酸化水素による細胞内カルシウム濃度の上昇とp38MAPK及びERKの活性化はそれぞれ独立して起こることが明らかとなり,国際誌に発表した. 過酸化水素によるアポトーシスの細胞内機序を調べる実験を同時に行い,この研究では過酸化水素がp53とカルシウムに依存したアポトーシスを引き起こすことを明らかにした.また,ずり応力を内皮細胞に負荷するとアポトーシスが抑制されること,コレステロールの取り込みが上昇することを明らかにしているが,結果の発表には至っていない.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)