視床下部腹内側核に由来する走行運動に対するエストロゲンの関与
Project/Area Number |
12770030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
成田 和巳 福井医科大学, 医学部・医学科・生理学(2), 助手 (80270958)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 視床下部腹内側核 / グルタミン酸 / カイニン酸 / 走行運動 / エストロゲン / ラット / エストラスサイクル / 性周期 / 自発運動 / 歩行運動 |
Research Abstract |
女性ホルモンであるエストロゲンは哺乳類の雌において生殖に有利に働くような様々な作用を発揮する.その作用の一つにラットにおいて血中エストロゲン濃度の増加により発情期を迎えるとともに行動量が増加することが知られている.これにより排卵期に雄ラットと遭遇する機会が増え,受精の成立に有利に働くと考えられている.私はこれまでの研究で視床下部腹内側核(VMH)に走行運動の誘発に関与する神経細胞群(走行ニューロン)が存在することを明らかとしてきた.さらにVMHはエストロゲン受容体が存在するとともに,エストロゲンにより制御されているロードシス反射の発現に関与することが知られている.そこで本研究ではエストロゲンが行動量を増加させる作用へのVMHの関与を検討した. 正常性周期を回帰している雌ラットのVMH内にカイニン酸を微量投与し走行ニューロンを興奮させることにより走行運動を誘発させ,性周期の各ステージ(発情前期,発情期,発情後期,非発情期)で差がみられるか検討したところ,非発情期において走行運動の発現量が減少することが明らかとなった.発情期と非発情期の群においてカイニン酸の投与部位と走行運動発現量を詳細に検討したところ,発情期の群では投与されたカイニン酸がVMH内のどの部位に投与されても走行運動が誘発された.一方,非発情期ではVMHの内背側部(VMH-DM)にカイニン酸が投与されると走行運動は誘発されたが,外腹側部(VMH-VL)では有意な走行運動は誘起されなかった. 次にエストロゲンの末梢投与により引き起こされる走行運動の増加にVMHが関与しているかを検討した.卵巣摘出を行ったラットを回転かご付きケージで飼育し,エストロゲンを末梢投与すると容量依存性に走行運動量が増加する.しかし走行ニューロンの存在するVMHを電気的に破壊したラットを用いて同様の処置を行っても走行運動量は増加しなかった. 以上の結果より発情期に増加する雌ラット自発運動量は,エストロゲンがVMH内の走行ニューロンに作用しその興奮性を高めた結果引き起こされるものであることが示唆された.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)