細胞増殖シグナルによるストレス応答遺伝子の発現制御機構
Project/Area Number |
12770065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
谷川 潤 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 基礎科学特別研究員 (50321782)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 細胞増殖制御 / ストレス / c-Myb / p53 |
Research Abstract |
原がん遺伝子産物c-Mybは細胞増殖制御に関与する転写因子で、その発現は細胞周期のG1後期に上昇する。またc-Mybはcdc2、proliferating cell nuclear antigen、DNA polymerase alphaなどの発現調節を行っている事から、S期の誘導に関与していると考えられている。一方、癌抑制因子であるp53はDNAに損傷を与えるストレスに応答してG1サイクリンキナーゼの阻害タンパク質であるp21/waf1の転写を活性化し、G1停止を引き起こす事が知られている。 我々は、c-Mybとp53が直接相互作用する事を見い出し、c-MybのDNA結合ドメインとp53の4量体結合ドメインが相互作用する事、p53はc-Mybによる転写の活性化を阻害する事などを明らかにした。さらに、293T細胞及びMolt4細胞抽出液を用いた免疫沈降実験から両者はin vivoにおいても結合する事が分った。さらに、ゲルシフト法を用いた解析から、p53はc-MybのDNAへの結合を阻害する事が分った。また、ルシフェラーゼレポターアッセイからc-Mybはp53による転写の活性化を阻害する事も分った。 さらに、野生型及びp53欠損マウス由来MEFを用いたコロニーアッセイからp53はc-Mybによるトランスフォーメーションを抑制する事が分った。また、マウスM1細胞を用いた実験から、c-Mybによる細胞増殖の維持をp53が抑制する事も分った。 c-Mybとp53が直接相互作用する事は、サイクリンキナーゼの阻害に加えて、p53による新たな細胞周期制御機構の存在が示唆される。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)