性ステロイド依存性腫瘍におけるプロゲステロン局所調節機構の解析
Project/Area Number |
12770079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 東北大学, 医学研究科, 助手 (10261629)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 5α-reductase / androgen / breast / carcinoma / estrogen / ovary / プロゲステロン / 乳癌 / 子宮内膜癌 |
Research Abstract |
平成13年度は、ヒト乳癌(60例)及び卵巣癌(85例)における5α-reductaseの発現を免疫組織化学やPR-PCR等によって検索しその意義を検討した。その主な結果は下記の如くである。 1.浸潤性乳管癌では、58%の症例で腫瘍細胞に5α-reductase type 1の発現が見られたが、type 2の発現は15%程度であった。 2.乳癌における5α-reductase type 1の発現はandrogen receptor (AR)や3β-HSD、17β-HSD type5と相関しており、5α-reductas type 1が活性型アンドロゲンの局所合成・作用に重要な役割を担っていることが明らかとなった。 3.5α-reductase type 1の発現は腫瘍径や細胞増殖能と逆相関し、局所で産生されたアンドロゲンは腫瘍増殖を抑制している可能性が推察された。5α-reductaseがプロゲステロンの代謝に関与しているという明らかな所見は今回得られなかった。 4.卵巣癌では5α-reductase type 1は72%、type 2は50%の症例で各々発現していた。 5.卵巣癌における5α-reductase type 1の発現はARと相関し、局所のアンドロゲン作用に関与している可能性が示唆されたが、プロゲステロン代謝への関与は明らかではなかった。 平成12年度のin vitroの実験データからは5α-reductaseはプロゲステロン代謝の重要な酵素であると考えられた。しかしヒト乳癌や卵巣癌組織では、5α-reductaseはむしろアンドロゲンの局所合成・作用を調節する重要な因子であることが明らかとなった。今回の所見は、エストロゲン依存性腫瘍におけるアンドロゲンの局所的役割を考えるうえで大変重要な所見と思われた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)