Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
1.前年度では、特発性間質性肺炎(UIP, NSIP)症例において、Lamininのγ2鎖,α3鎖,β3鎖の抗体を用いて免疫染色を施行した。その結果より、UIP, NSIPにおける組織再構築の際、上皮細胞の遊走、分化にはLnγ2が深く関わっていると予想された。その際にはLnα3β3γ2のtrimerからγ2鎖が遊離し、再生上皮細胞質内に移動していることが予想された。 2.特発性間質性肺炎(NSIP)3例の凍結材料を用い、Lnγ2鎖のmRNAレベルでの発現の有無をRT-PCRにて検討した。期待した位置にうすいバンドがあるものの、非特異的バンドも多数出現し、陽性コントロールでもバンドはあまり明瞭でなく手技に問題がある可能性もあり評価困難であった。 3.特発性間質性肺炎(NSIP)2例、正常肺組織1例の凍結材料において、Western blottingにてLnγ2の蛋白レベルでの発現を検討した。NSIPでは140kDa,100kDa,80kDaの3本のバンド、正常肺組織では140kDa,100kDaの2本のバンドを認めた。このことより、NSIPではγ2鎖全体がLn5のtrimerより遊離するのではなく、γ2の一部が遊離して上皮細胞の遊走・分化に関与していると考えた。また、正常と思われた肺組織においても、100kDaにバンドが認められた理由として、軽度の炎症があり、バンドとしてとらえられない程度の80kDaのγ2鎖蛋白が存在している可能性を考えた。 4.まとめ:特発性間質性肺炎において、通常は基底膜上でtrimerの形で存在しているLn5のうちγ2鎖の一部が遊離し、上皮細胞内に移動し、細胞の遊走・分化を誘導していると予想される。このような形でLn5は組織の改築に関与していると考察される。
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