大腸菌ベロ毒素Bサブユニットによる細胞機能の阻害メカニズムの解析
Project/Area Number |
12770135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 一路 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70294113)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | アポトーシス / 上皮細胞 / 細菌感染 / カスパーゼ / Stx / Bサブユニット / テトラサイクリン誘導プロモーター |
Research Abstract |
アポトーシスの誘導には,細胞外からの種々の要因,すなわちFas-FasLやTNFaを介したレセプターによる刺激や薬物による刺激などが考えられているが,これらの刺激によって最終的には細胞内に存在するいくつかのプロテアーゼ群であるcaspase cascadeが活性化されて核の断片化,細胞の断片化が引き起こされることが知られている.すなわち,アポトーシスの誘導には外的な刺激に対して,アポトーシスを引き起こす新たなタンハク質,すなわちアポトーシス関連遺伝子の誘導が必須であることが種々の研究から報告されている.申請者らは腸管出血性大腸菌の産生するStxの各フラグメントをテトラサイクリン誘導プロモーターを用いた選択誘導系を用いて細胞内で直接発現させることによってアポトーシスを引き起こすことを明らかにした.従来、Stxによる細胞障害性はStxAフラグメントによるタンパク合成阻害能によって細胞障害性が誘導されると報告されてきたが、本研究において、従来細胞膜表面の糖鎖に結合するといわれていたStxBフラグメントによっても、細胞障害性が誘導されることを明らかとした。ここで報告した知見は,Stxによる細胞障害機能に関して全く新しい概念を提供するものであり,細菌感染によって,生体内の最初の防御システムである上皮細胞の破壊が重要であるとの知見を得た.さらに,申請者らはグラム陽性レンサ球菌の細胞内侵入に伴う細胞死への影響を検討するため,レンサ球菌の表層に存在する付着因子を欠失させた変異株を用いて,細胞死の誘導能について検討を加えた.A群レンサ球菌は、菌体表面に存在するMタンパク、ファイブロネクチン結合タンパクであるFタンパク、夾膜などによって宿主細胞に付着・侵入することが知られている。しかし、これらのタンパクと、細胞死誘導能については、その関連が未だ明らかとされていなかった。そこで、これらの決死塚部を用いて、細胞死誘導能について検討を加えたところ、フィブロネクチン結合タンパクを保有する菌株でのみ上皮細胞に対してアポトーシスが誘導されMタンパクのみではそのような機構は認められなかった。さらにそのごカニズムを詳細に検討したところ、ミトコンドリアからのシトクロムcの流出、およびBaxの集積が認められた。すなわち、A群レンサ球菌では細胞侵入性に伴い、ミトコンドリアの機能異常を引き起こし,カスパーゼ9を活性化することを明らかとした.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)