頸動脈超音波検査による動脈硬化所見及び血小板凝集能の脳卒中発症への関与の検討
Project/Area Number |
12770197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡田 克俊 愛媛大学, 医学部, 助手 (10314949)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 頸動脈超音波検査 / 脳血管疾患 / ズリ応力 / case-control study / 相対危険度 / 循環器疾患 |
Research Abstract |
本研究計画に基づき、ベースラインデータの収集及び一般住民980名、脳神経外科を受診した連続脳血管障害例723名に対して頸動脈超音波検査、血液マーカーの測定、生活習慣調査を施行した。さらに本研究のベースとなる循環器疾患コホートの追跡データとして、脳血管疾患及び虚血生心疾患に関する発症調査を行い138例の脳血管疾患発症、25例の虚血性心疾患発症の登録を完了した。 解析計画に基づき、脳梗塞例をcaseに、一般住民例をcontrolに用い、頸動脈超音波検査所見の解析を行った結果、脳梗塞有病に対する相対危険度は、いずれの指標においても値が高くなるに従い相対危険度が上昇し、特に平均IMTが0.95mm以上、最大壁厚が1.27mm以上、狭窄率が55%以上では有意差を認めた。さらに病型別では、穿通枝系及び皮質枝系梗塞ともにcontrolと比べ厚い値を示した。指標別では、生理的な肥厚とされる平均IMTがcontrol-穿通枝系-皮質枝系の順に有意な増加を示したのに対し、最大壁厚は皮質枝系のみが有意に厚く、日本人に多い穿通枝系梗塞では頸動脈に代表される大血管系の病的肥厚が著しくなる前に脳梗塞に至る可能性が示唆された。一方、合わせて測定した頸動脈血流速度・凝集能による検討では、血圧レベルが正常である群においてもズリ応力比の上昇に伴い動脈壁肥厚・plaque score増加を認め、大動脈硬化・末梢臓器傷害が非常に早期のレベルにおいても、これら機能的指標が動脈硬化のメカニズムに関与しているこが明らかとなった。しかしこれらの機能的評価は変動が大きく、また一般住民を対象とした同様の検討は少なく、集団による疫学的検討だけでなく、個々を対象とした対策に用いるためには、今後とも慎重な検討が必要であると考えられる。 尚、今後、本研究助成にて収集したベースラインデータの追跡を継続する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)