ヒト病刺激伝導系の加齢、各種病態におけるアポトーシスを介した変性機構の検討
Project/Area Number |
12770219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西田 尚樹 九州大学, 大学院・医学研究院), 講師 (10315088)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 心刺激伝導系 / 心臓性突然死 / 法医解剖 / アポトーシス / 覚醒剤 / アルコール / 不整脈 |
Research Abstract |
当教室において司法、行政解剖を施行した事例の心刺激伝導系につき、TUNEL法を用いてアポトーシスの発現状態について検索すると共に、アポトーシス関連抗原であるFas抗原の発現について検索し、さうに抗PCNA抗体を用いて、間質における間葉系細胞の増殖状態を評価した。その結果、覚醒剤常習者、アルコール常用者、右冠状動脈有意狭窄保持者突然死例の房室結節、His束内において、健常非心臓死例に比し、高いアポトーシスの出現を認め、Fas陽性細胞の出現頻度も高かった。またこれらの事例では、房室結節内にPCNA陽性の間葉系細胞が少数ながら観察されたことから、これらの事例においては、健常者よりも特殊心筋のアポトーシスが亢進し、心筋の変性脱落がより強く起こっており、その結果、間葉系細胞のactivationが起こり、線維化が進展するものと考えられることから、一部の病態において、刺激伝導系内にアポトーシスを介した心筋変性が起こっていることが示唆された。また覚醒剤、アルコール常習者の多くには、作業心筋内同様、房室結節内にリンパ球の出現が観察された、これがアポトーシスを促進するものなのか、アポトーシスを介した心筋変性の結果なのかという点については、今後の検討課題と考えられる。また本研究施行中に、1.右冠状動脈に有意狭窄を有する一部の心臓性突然死において、房室結節周囲の上部心室中隔に小梗塞の形成が認められること、2.交通事故を始めとした法医学的に発生機序の推定が困難な不慮の事故死例の一部に刺激伝導系の形態学的異常が認められ、事故発生と因果関係を有する可能性があること、3.アルコール常習者突然死例の一部に房室伝導系に非常に強い脂肪浸潤が観察されること等を見出し、それぞれ英文紙に投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)