Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
肺動脈平滑筋の攣縮は,低酸素血症で認められる肺高血圧症の発現に中心的な役割を果たしているが,細胞レベルでのメカニズムは不明であり,肺動脈平滑筋トーンの調節にNa^<+>-K^<+>-ATPaseが関与していることに注目し,ニトロ化合物による血管拡張反応と本酵素活性との関連をイヌ摘出肺動脈輪を用いin vitroで検討した.その結果,ノルアドレナリン誘起性収縮反応に対するニトロプルシド(SNP)の肺動脈平滑筋拡張反応は,コントロール(95%O_2,5%CO_2)の条件下では,Kチャネルブロッカーの影響は受けなかったが,Na^<+>-K^<+>-ATPase阻害薬(ouabain)の存在下で有意に減弱した.このouabainの効果は,低酸素条件(5%O_2,5%cO_2,90%N_2)でも観察された. また,血管内皮細胞のNa^<+>-K^<+>-ATPase活性の関与を検討した結果,血管内皮細胞を剥離した組織において,SNPは細胞内cyclic GMP濃度とouabain感受性^<86>Rb-uptakeを濃度依存的に増加させ(0.15±0.02→0.33±0.66pmol/min/mg weight(p<0.01,n=12)),その効果は低酸素の影響を受けなかった.したがって,ニトロ化合物による肺動脈拡張反応は筋細胞内のNa^<+>-K^<+>-ATPase活性刺激に基づくものであり,また本酵素活性は低酸素条件においても維持されていることが明らかになった.
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