単球と血管内皮の相互作用における細胞内シグナル伝達機序とその新規責任分子の同定
Project/Area Number |
12770349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 講師 (40296108)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管炎 / 単球 / 血管平滑筋 / サイトカイン / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
動脈硬化の形成機序は、現在のところ、流血中の単球が血管内皮細胞へと接着し、それに続いて内皮下へと浸潤し、種々のサイトカインを産生して中膜平滑筋細胞の内膜への遊走や増殖を誘導すると考えられている.この機序の最も初期の段階は、血管内皮細胞と単球との相互作用であり、今回この相互作用によるケモカインの発現機序について検討した.ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞をヒト末梢血より単離した単球と混合培養することにより、上清中に好中球および単球のケモカインであるインターロイキン-8(IL-8)および単球遊走性蛋白-1(MCP-1)の産生が誘導された.この混合培養によるIL-8とMCP-1の産生は時間および単球数依存性であり、mRNAレベルでも発現が亢進した.混合培養によるIL-8とMCP-1の産生細胞は、免疫染色法により内皮細胞と単球の両方であることが明らかとなった.この混合培養上清は好中球および単球への遊走活性を示し、その活性はIL-1およびMCP-1に対する中和抗体により有意に抑制された.また、細胞内シグナル分子の阻害剤を用いて検討したところ、このIL-8とMCP-1の産生はPKC阻害剤であるcalphostin Cでは抑制されないが、チロシンキナーゼ阻害剤であるgenisteinによって抑制されたことから、チロシンキナーゼの経路を介している可能性が示唆された.さらに、この内皮細胞と単球の混合培養により、非受容体型チロシンキナーゼであるc-Srcが有意に活性化された.以上のことより、血管内皮細胞と単球との相互作用によりチロシンキナーゼを介してIL-8やMCP-1といったケモカインが発現、産生され、さらなる動脈硬化病変の形成が引き起こされる可能性が示された.
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)