家族性肥大型心筋症の発症機序に関する検討-変異蛋白の収縮能と組織所見との対比-
Project/Area Number |
12770365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中浦 宏幸 久留米大学, 医学部, 助手 (50279171)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 肥大型心筋症 / スキンドファイバー / トロポニンT / 最大張力 / 遺伝子異常 / pH / Ca感受性 / トロポニンI / リン酸化 |
Research Abstract |
1)肥大型心筋症の心筋トロポニンT(TnT)遺伝子異常については、13種類の遺伝子異常が報告されている。その中で我々は、Glu244Asp、Intron15の2種類およびArg278CysのTnT変異でCa感受性が亢進することを報告した。また、Phe11OIleとGlu244Aspの2種類の変異では、最大張力が増大した。他の変異では、pH7.0の条件では最大張力は変わらなかったが、何故この2種類は最大張力が増大するのか更に追究するため、pH6.5、pH7.0、pH7.5の3種類の条件下で、それぞれ最大張力、Ca感受性収縮、協同性について機能的解析を中心に検討した。 2)方法は、ヒト心筋TnTcDNAのクローニングを行い、wild-typeTnTとTnT変異遺伝子(Phe110IleとGlu244Asp)を作製し、変異TnTの生理学的検討を心筋レベルで解析し、生理的(実験)条件をpH6.5、pH7.O、pH7.5の3種類で比較検討した。既存の方法にてウサギスキンドファイバー中でトロポニン3成分の交換除去を行い、最人張力、Ca感受性収縮、協同性について検討した。その結果、最大張力は、それぞれの条件下で2種類の変異ともwild-typeTnTと比較して、有意に増大した。Ca感受性収縮は、pH6.5、pH7.0の条件下では、Glu244AspTnTは増大し、Phe110IleTnT-は、いずれの条件下においても変化は認めなかった。これらの結果から、2種類の心筋TnT遺伝子異常肥大型心筋症の最大張力については、pHの条件に関係ないことが明らかとなり、異常心肥大の原因が従来言われて来た収縮力の低下による代償性肥大ではない可能性が推測された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)