小児急性白血病における細胞傷害性因子の解析と臨床的意義
Project/Area Number |
12770381
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
犬飼 岳史 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30293450)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 白血病 / アポトーシス / 細胞障害因子 / TRAIL / Philadelphia染色体陽性白血病 / 移植片対白血病(GVL)効果 / 難治性小児白血病 / GVL効果 / 細胞傷害因子 / TWEAK / DR3 |
Research Abstract |
同種骨髄移植における移植片対白血病(GVL)効果には、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)やNK細胞が介在し、これらの細胞上の細胞傷害因子(膜結合型ligand)が、白血病細胞上に発現されている受容体を介してアポトーシスを誘導することで中心的な役割を担っていると考えられる。これまでに種々の細胞傷害因子と受容体が同定され、TNF受容体ファミリーのうちdeath domainを有する受容体とそのligandの関与が想定されているが、実際の白血病においては不明な点が多い。今回は、正常細胞への影響は比較的弱いが、様々な固形癌細胞にアポトーシスを誘導するTRAIL(TNF-related apotosis inducing ligand)に注目し、免疫学的機序による排除が示唆されるPhiladelphia染色体(Ph1)陽性白血病を対象に検討した。TRAIL受容体にはアポトーシスを誘導するR1とR2の他に、細胞内のシグナル伝達ドメインを欠くR3と、アポトーシス抑制シグナル伝達ドメインのみを有するR4があり、R3/4はアポトーシスに抑制的に働く。in vitroで活性型の三量体を形成する遺伝子組み換え型TRAIL添加によるアポトーシス誘導を検討するとともに、各受容体に固有のモノクロナール抗体を用いて白血病細胞での発現を検討した。その結果、12種類のPh1陽性白血病細胞株のうち、5株で強力な、3株で中等度の細胞死誘導が観察され、4株が耐性であった。このTRAIL感受性はR2受容体の発現と強く相関し、耐性株はR2受容体をほとんど発現していなかった。一方、R1およびR3/4受容体は検出されなかった。以上の結果は、TRAILがin vlvoでのPh1陽性白血病の排除に関与している可能性と、TRAILの治療への有用性を強く示唆しており、研究を継続している。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)