Project/Area Number |
12770382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
杉山 央 山梨医大, 医学部, 助手 (70303419)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 成長ホルモン / 容量負荷心不全 / ラット / カルシニューリン阻害薬 |
Research Abstract |
平成12年度は、成長ホルモンの分泌が正常なラットを用いて実験を行った。概要を記す。 【目的】左室容量負荷による心不全に対する、成長ホルモン(GH)及びカルシニューリン阻害薬(FK506)の有効性を、心機能ならびに病理所見から検討する。【対象と方法】ラットwister種(雄、10週齢)を用いて、腹部動静脈シャントを作成した。これらを薬剤投与のないC群;n=9、GH(3U/kg/day)を投与するGH群;n=8と、さらにGH+FK506(1mg/kg/day)を投与するGH+FK群;n=8の3群に分けて、術後4週目に心エコー(AT社製Sonos2500)ならびにMiller社製2F Tipカテーテルを用いて、心機能、心内圧を測定後、心筋病理標本を作成し各群間で比較した。【結果】術前の体重に差はなかった。術後4週目の体重はC群(286.2±21.3g)、GH+FK群(267.3±18.9g)よりGH群(306.7±15.2g)が有意に増加していた。左室重量はGH群(0.73±0.14g)とGH+FK群(0.59±0.12g)で有意差を認めた。心エコーでは、LVDdとLVDsがC群(各5.9±0.8mm,3.1±0.5mm)に比べてGH+FK群(各5.0±0.8mm,2.2±0.7mm)で有意に小さく、FSはC群(0.44±0.02)に比べてGH+FK群(0.58±0.04)で有意に高かった。また、収縮期血圧、左室収縮期血圧ともにGH+FK群が他の2群より有意に低かった。max(+dp/dt)に各群間で差はなかったが、LVEDPはC群(17.5±3.1mmHg)がGH群(7.6±2.4mmHg)、GH+FK群(5.8±3.0mmHg)に比べ有意に高値を示した。病理所見では、左室心筋後壁厚はGH群(3.2±0.5mm)がC群(2.2±0.3mm)、GH+FK群(2.5±0.1mm)に比較して有意に厚かった。心筋間質の線維化のgradeは各群間で差はなかった。本年度までの研究で以下のことが明らかになった。容量負荷心不全に対するGHの単独投与は、著明な心筋肥大をもたらすが、充分な心機能低下の予防や改善が得られなかった。しかしGHにカルシニューリン阻害薬を併用すると、心筋の菲薄化と過度の心筋肥大を同時に抑制しながら、心収縮能と拡張能を改善することが示唆される。
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