Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
乳癌は乳腺に限局して発生する癌であるため,X線マンモグラフィにおける医療被曝は乳腺組織に吸収された平均線量で表すのが,最も有効な被曝線量の指標となる.すなわち,乳腺組織量の多少によって医療被曝は左右されることになる.乳腺組織量は個人差の最も大きい臓器であり,また同一個人であっても年齢を重ねる事によって千差万別に変化していく.そこで本研究は,乳腺組織量の多少に関係すると思われる要因,年齢,乳房厚,出産回数,授乳歴,ホルモン療法の既往歴別にX線マンモグラフィ受診者の医療被曝をデータベース化し,被曝(リスク)と早期発見(利益)についての妥当性を検討した.結果,乳腺量に影響を及ぼす最大の要因は加齢であった.また,ホルモン療法の既往歴は,個人によっては治療後,かなりの期間が経っても組織の乳腺様化が持続し,加齢による要因に負の影響を与えた.出産回数では,回数別では大きな差は見られなかったが,出産0回,未出産については高齢でも高い乳腺組織量を保っていた.授乳歴では,同一個人における乳腺量の左右差に大きな影響を与えた.X線マンモグラフィを用いた乳がん検診のリスク・利益分析についての先行研究では,リスクを寿命の短縮とした上で,利益とのバランス関係が成立するのは約30歳としている.しかし,30歳の乳腺組織量は出産の有無に関係なく非常に多く,乳房厚も厚いため医療被曝は多くなる.その反面,X線マンモグラフィの診断的価値はかなり低いものとなる場合が多い.本研究では,リスクを医療被曝,利益を早期発見(診断的価値)として統計的分析をニューラルネットワークにて行った結果,バランス関係は約45歳と考えられた.
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