尿細管上皮細胞の低浸透圧抵抗性に対するpIC1nの作用分子機構の研究
Project/Area Number |
12770579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
陶 国忠 秋田大, 医学部, 助手 (20312697)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | pICln / 塩素イオンチャネル / 細胞容積感受性イオンチャネル / 低浸透圧耐性 / E.Coli |
Research Abstract |
細胞生命維持にとって細胞容積の維持は必須で、細胞は低浸透圧に曝されると一時的に膨潤するが、数分以内に容積感受性Clチャネルが開くことで細胞容積を回復する。回復しなければアポトーシスを起こす。この容積感受性ClチャネルとしてcDNAがクローニングされたpICln分子の生理機能について、pIClnは確かに低浸透圧耐性を著しく上げるが、MDCK細胞では免疫組織化学的に細胞膜には検出されないこと、可溶性に存在することから容積感受性Clチャネルの調節因子と見なされ、その後の研究報告から様々な説が提出された。 われわれは、(1)pIClnは、ブタ腎では可溶性画分と不溶性画分の双方に存在するが、ラット腎では不溶性画分にのみ存在し、免疫組織化学的にHenle's loop上行脚(希釈セグメント)から遠位尿細管の管腔面に局在すること、(2)ラット骨格筋ではpIClnの1分子がGアクチン約6分子と結合しオリゴマーとして可溶性に存在すること、(3)LLC-PK1細胞は低浸透圧に曝すと核周辺に存在していたpIClnが細胞質内に広がることなどを示し、さらにpIClnは精巣に最も高密度に存在すること明らかにした。これらはpIClnの細胞内機能が組織・細胞によって異なる可能性を示唆している。その後の研究で、pIClnに類似するタンパクが存在しないE.ColiへのpICln発現が、菌の低浸透圧耐性を著しく増すことに気づいた。低浸透圧耐性を与えるpICln中のドメインを検索し、46アミノ酸からなる酸性ペプチド部分("46-ペプチド")がpIClnの全長と同程度の耐性を菌体に与えることが分かった。"46-ペプチド"の機能は、低浸透圧の細胞内情報伝達経路中にE.Coliと哺乳動物細胞に共通したドメインを持つ因子の存在を推定させる。"46-ペプチド"を手がかりとして、低浸透圧のシグナリング解明に着手した。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)