子宮内発育遅延の分子遺伝学的研究:GRB10のimprinting異常・変異解析
Project/Area Number |
12770609
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Embryonic/Neonatal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉橋 博史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60286531)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 子宮内発育遅延 / ゲノムインプリンティング / 先天異常 / 奇形 / 変異解析 / ゲノム / ラッセルシルバー症候群 / GRB10 / 母性片親性ダイソミー / インプリンティング |
Research Abstract |
GRB10がインプリンティングを受けるか否かについて,胎児脳組織およびヒト第7番染色体を含むヒト・ハムスター体細胞ハイブリッドを用いて検討した.次に58例のラッセル・シルバ.症候群患者からゲノムDNAを抽出しGRB10遺伝子をPCR増幅後、変性高速液体クロマトグラフィーおよび直接シーケンシング法を用いて変異スクリーニングをおこなった. [成績] (1)ヒトGRB10mRNAの発現は胎児脳組織において片親性発現であった。(2)ヒトGRB10mRNAは母由来の第7番染色体を一本含むハイブリッド細胞で発現し,父由来の第7番染色体を一本含むハイブリッド細胞で発現しなかった。(3)ラッセル・シルバー症候群患者58例中2例に,第753番塩基のヘテロの一塩基置換(C→T)によるアミノ酸置換(P95S)をアミノ末端プロリン豊富領域内に認めた.このアミノ酸置換は正常対照100例(200染色体)には認められず、母親から受け継がれていた. [考察] 二つの異なる方法を用いてヒトGRB10が母性発現インプリンティング遺伝子であることを示した.ラッセル・シルバー症候群患者2例に特異的なGRB10のアミノ酸置換(P95S)が発見され,この変異が母親由来であったことからGRB10遺伝子が本症の発症に関与している可能性が示唆された.15q26-qter領域の欠失によりIGF1受容体の欠失を有する患者および11p15重複によりIGF2遺伝子およびその抑制性調節遺伝子の重複を有する患者がラッセル・シルバー症候群の表現型を呈することから、「IGF1受容体を介するシグナル伝達系の1)リガンドであるIGF2,2)IGF2の受容体であるIGF1受容体,3)IGF1受容体の結合蛋白であるGRB10のいずれかのレベルでIGF1受容体を介するシグナル伝達が遮断されるとラッセル・シルバー症候群を発症する」という発症機序に関する統一仮説を提唱した.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)