Project/Area Number |
12770651
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00322248)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | MAP kinase / 動脈瘤 / 動脈硬化 / アポトーシス |
Research Abstract |
[研究目的]本研究の目的は、ヒト動脈硬化病変における各種MAP kinase (ERK、JNKおよびp38)の活性とその局在を検討し動脈硬化の発生進展機序におけるMAP kinaseの役割を解明することである。 [方法]1)腹部大動脈瘤の手術時に摘出した瘤壁、閉塞性動脈硬化症の手術時に採取した大動脈、剖検症例の正常腎動脈下腹部大動脈を標本とする。 2)大動脈標本より蛋白を抽出、Western blot法によりMAP kinaseの発現と活性を定量する。 3)ホルマリン固定標本を用い、免疫組織染色法によりMAP kinase活性の局在を検討した。 [結果]現在までに8例の腹部大動脈瘤壁と4例の剖検症例より採取したコントロール大動脈壁の解析と比較検討を終了した。その結果は、1)外界刺激に応じて一般に細胞の増殖分化を促すERKの発現は、動脈瘤壁で減少していた。2)サイトカインやストレス刺激に応じて活性化されるJNKは動脈瘤壁でその活性が増加していた。3)JNKの活性は主として動脈瘤壁外膜側に浸潤した炎症細胞に局在していた。 [まとめ]MAPキナーゼは外界刺激を伝達する重要なシグナル分子の一群であり、細胞が外界から刺激を受けた時の細胞応答の鍵となるためその活性化バランスは一般に重要である。動脈瘤壁においては、外膜側の炎症細胞におけるJNKの活性増加が特徴的であった。JNKが炎症細胞の細胞応答を制御することにより腹部大動脈瘤の発生進展に関与していることが示唆された。
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