Project/Area Number |
12770720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
上平 聡 鳥取大学, 医学部, 助手 (60314580)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 超低体温逆行性脳灌流法 / Arch First法 / 近赤外線分光法 / 脳組織酸素飽和度 / 至適灌流条件 / 安全許容時間 |
Research Abstract |
弓部及びその近傍の大動脈瘤手術に際し、補助手段として超低体温逆行性脳灌流(RCP)法を用い、さらに弓部全置換症例には逆行性脳灌流時間を最小限にするために弓部分枝を先に再建するArch Fist法を用いて手術を行った、術中に近赤外線分光法を用いて酸化Hb,還元Hb,脳組織酸素飽和度(rSO_2)を連続測定し、RCP法での脳酸素モニター上での安全限界値とそれに到達する時間(許容時間)を検討した。またArch First症例では弓部分枝再建後の変則脳分離体外循環中の至適脳灌流条件の算出を試みた。対象は成人症例17例であり、年齢は28〜85歳,男女比は10:7であった。最低鼓膜温18±0.3℃であり、RCP時間は34.6±6.9分(21〜46分)であった。rSO_2値の変動は手術開始時点を1.0(63.2±1.7%)とすると、超低温につれてRCP直前で1.07(70.1±2.5%)まで増加した後、RCP中は緩余に低下。その後通常循環再開にてRCP直前値に回復し復温から離脱にかけて0.91に低下した。最低脳組織酸素飽和度は我々が設定したRCP安全限界値0.7以下となる症例はなかった(最低値0.81)。Arch First法の7例は、RCP時間38.3±5.2分,選択的脳灌流時間58.5±13.7分であった。RCP単独症例でのRCP終了から復温過程においてrSO_2値と鼓膜温との間に有意な一次相関が存在した(左右rSO_2=-0.01×鼓膜温+1.3,p<0.0001)。この式をリファレンスとしてArch First症例の至適灌流条件を求めると、鼓膜温25℃で平均脳送血量13〜15ml/kg/min, rSO_2値は1.0前後に維持されていれば、脳灌流としては問題ないことが示唆された。今後さらに個々の症例の解析を重ねてより詳細なRCP中の単位時間あたりの脳内酸素飽和度の減少率を算出し、逆行性脳灌流許容時間予測式を確立することと順行性脳灌流時の至適灌琉条件を更に詳細にしていきたい。
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