Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
昨年度は,成熟ラット上衣下脳組織由来の細胞を培養し,免疫組織化学染色により,それらの細胞の約90%がnestin 陽性で神経系幹細胞であることが確認された. 平成13年度は,この神経系幹細胞からドパミン産生神経細胞を誘導する実験を行った. 1)ドパミン産生能の評価:前年度の実験で得られた細胞を培養し,培養液中に遊離されるDOPAおよびdopamineの量をHELC-PC法で測定したが,その値は測定限界以下であった.しかしながら,本実験で得られた神経系幹細胞が脳への移植により,生着可能かどうかを確認するため以下の実験を行った. 2)lacZ遺伝子の導入:ドパミン産生能を獲得した培養神経細胞に,lacZ遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを感染させ,移植細胞とした. 3)細胞移植:lacZ遺伝子を導入された培養神経細胞を1×10^4に調節し,定位脳装置を用いてParkinson病モデルラットの線条体に移植した. 4)組織学的検索:移植後4週のラットを用いた. ・移植細胞の生存の確認:β-galactosidaseに対する免疫化学染色では一部細胞が陽性であり,移植細胞が脳内で生存していた. ・ドパミン産生能の確認:tyrosine hydroxylase(TH)に対する免疫化学染色を行った.宿主側に元々存在するTH陽性細胞との識別を行うため,β-galactosidaseとの2重染色を行ったが,両者が陽性の細胞はほとんどみられなかった.つまり,今回の実験では神経系幹細胞は移植により脳内で生存可能であることは確認されたが,特異的にドパミンを産生する細胞への分化は確認できなかった.
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